わたなべゆうさん
   

  1980年岡山県生まれ。本名=渡部由宇
14歳からギター、ピアノ、ドラムを始める。高校卒業後、大阪の音楽学校で学んだのち演奏活動を開始。05年6月、1stCD『うきわ』を、06年3月、2ndCD『Letters to parents』を発表。同年、「フィンガーピッキング・デイ2006」(モリダイラ楽器主催)で最優秀賞とアコースティック・ギター・マガジン賞を獲得、翌年9月アメリカで行われた「ナショナルフィンガーピッキングコンテスト」に日本代表として出場。そのライブ映像がネットで世界中に流れるなど注目を集める。07年12月リリースした3rdアルバム「Leialoha」も好評で、FM802への出演など、活躍の場を広げている。



日頃、電子音に囲まれているせいだろうか。わたなべゆうさんが爪弾くギターの音色には、心癒され、温かい気持ちになる――。毎日6時間、ストリートで演奏を続けて4年。郷愁を誘う音楽は、人々の心を動かし、人から人に伝えられ、CDアルバムが手渡され、ブログからブログへ、そしてラジオへ…。静かに着実に、ファンを増やしているのだ。。
ギターやドラムを始める前から
頭の中で僕の旋律が鳴っていた

―14歳で楽器を始めたそうですね
 はい。3つ上の兄がドラムやギターをやっていて、僕もやりたいなと思って。ギターは自分で練習するつもりだったので、ピアノとドラムを習いました。音楽は小さい頃から大好きで、はじめはアニメの歌に夢中になり、おばあちゃんのマンドリンを弾くマネをして遊んだり、兄が聴いていたビートルズやヘヴィメタルのロックもよく聴いていました。実は、作曲はギターを始める前から自然にやっていたんですよ。中学に入った頃から、頭の中で3分から4分くらいの曲を作って、曲名を付け、テーマに沿って曲順まで決めて「アルバム」を作っていました。だいたいロック系の曲が多かったんですが。でも、楽譜の書き方も演奏の方法も分からない。だから自分の曲を演奏するために、ギターやピアノを始めたのかも…。
 高校時代はバンドを組んで文化祭に出演したり、音楽漬けの毎日で、入学時は上から2番の成績が、卒業時は下から2番(笑)。ミュージシャンになると決めたのもこの頃で、母や祖母には反対されましたが、まわりの人が言うことは関係ない。最後は、自分が決心するかどうかだと、自分を奮い立たせました。

中高年から子連れママまで魅了する
毎日6時間のストリート・ライブ

―アコースティックギターの温かい音色に心癒されます
 19歳で、生まれ育った岡山から大阪に出て来て音楽学校に通い、卒業後の3年間、実はロックバンドのエレキギターを弾いていたんです。バンドが解散し、だんだんアコースティックギターによるソロ活動が中心に。ここ3、4年は毎日6時間、主にJR京橋駅でストリート・ライブをやっています。ミュージシャンって、何の拠りどころもない肩書きですが、毎日、何万人もの人が通る駅で6時間も演奏してきたこと、これが僕の唯一の自信であり強み。僕を覚えてくれた人から「大変ですね」と声を掛けられるけど、僕は大変なんて全然思わない。毎日、好きな音楽をやって、自分が作りたい曲を作って、週末、各地でライブを開く。そして、ラジオに出たり。インスト(歌なし、ギター演奏だけ)でやっている人は少ないので、皆さんにはよく覚えてもらえます。おばあちゃん子で育ったせいか、年配の人も聴いてくださるし、子連れの若い女性やフォーク世代も…。ミュージシャンもやりやすい時代になったと思います。CDの自主制作もそれほどお金がかからないし、ストリートでは数え切れない出会いがあって、感動の連続ですから。


 
 
テーマに出合ったとき
僕の新しい音楽が生まれる

―わたなべさんの音楽観と、今後についてお聞かせください
 僕は心を動かす音楽をつくりたい。ライブで2時間、気持ちよく、元気になってもらえるような、力のある音楽を発信したい。言葉を使わない音楽だからこそ、世界の人々の心を動かすことだってできると信じています。作曲については、そのときそのときの僕自身の思いが作品に。例えばセカンドアルバムの「Letters to parents」(=両親への手紙)。25歳のとき、心配をかけた岡山の両親や祖父母に、感謝の手紙を書くような気持ちで制作しました。僕の場合、夕日がきれいだとか、息子の成長とか、何かテーマに出合うことで新しい曲が生まれるんです。今後についてはできるだけたくさんの人に僕の音楽を聴いてもらいたいので、まず「わたなべゆう」という名前を知ってもらえるようにがんばりたい。イベントやお祭りに呼んでいただけば、ギター片手に出張もします。気軽にご連絡ください!9月には吹田市のメイシアター小ホールでワンマンライブを開催予定。曲は僕のホームページでも視聴できますから、気に入ってもらえればライブに足を運んでみてください。

文/渡部せつ子
写真/高原慶祐

〈取材を終えて〉
わたなべさんのCDを聴いていると、幼い日のふるさとの山や川など懐かしい情景が目に浮かびます。明るいニュースの少ない現代に登場した癒しと浄化の音楽…。自然体の生き方、奥さまとの出会い、おばあちゃんのお話も素敵でした。

「ストリートで毎日5、6時間演奏してきたことが自信になりますね」。06年のフィンガーピッキング(指で弾く演奏スタイル)・デイ優勝の実力派だからこそ表現できる音楽だ。(撮影は高槻市「二十四節記」TEL.072-686-1113)

●5月4日(日)15:30OPEN 22:00CLOSE予定
 心斎橋『club vijon』 TEL06-6539-7411 ¥1,800(1ドリンク別途)
●5月15日(木)1st 20:00〜 2nd 21:30〜 天満橋「パタネグラ」
 〜わたなべゆうソロライブ〜 チャージ\1,000 TEL06-4793-0808
●5月18日(日)13:30OPEN 14:00START 住吉『神戸生活文化センター』
 〜わたなべゆうギターコンサート〜¥1,680 TEL078-431-5273
●6月30日(月)1部13:00〜 2部14:30〜(1部、2部入れ替え)
 JR上牧駅近くの『ラロ』〜わたなべゆう ライブフォーマザー〜
 ¥1,000(幼稚園以下は無料)予約はTEL072-686-1112
「Leialoha」 3rdアルバム「Leialoha」(13曲収録 2,625円)は全国のCDショップやアマゾンなどでも購入できる。写真の赤ちゃんの手は1歳3ヵ月になる長男の写真。
 

 
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